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'05.06.25、26「ツールド美ケ原」参戦記


走行データ
二日間でおおよそ90km
(レーススタート時にリセットしたため詳細はわかりません)
TREK1400積算距離 1585,9km



今年も長野県の松本で行なわれた
ヒルクライムレースの「ツールド美ケ原」に参加してきました
京都のぷらどさんと現地で待ち合わせて
レース前日と当日の楽しい二日間を満喫してきました




24日(金曜日)の仕事を終えて帰宅後22時半頃に家を車で出発し
25日の2時半頃に現地に到着
参加選手用に用意された松本市の体育館横の駐車場で車を停めて
車内で遅めの晩酌をしたあとゆっくり寝ました



一日目(25日土曜日)

朝8時半ごろぷらどさんからの電話で目を覚ましました

ぷらどさんは9時ごろに原村のペンションを出てこちらに向かうとの事なので
到着される前に買っておいた朝飯を食べ
体育館内の洗面所で顔を洗い髭を剃って身支度を整えました

間もなくぷらどさんと合流
待ちわびていた今年の「ツールド美ケ原」が私の中で開幕しました

相談の結果、この日はレース本番と同じコースを
下見とサイクリングを兼ねて走る事になり
松本市野球場近くの駐車場に車で移動し自転車を降ろしました



私とぷらどさんの「ツールド美ケ原」が開幕しました

向かって左が私のノアとTREK、右がぷらどさんのプラドとマーリンのチタン



サイクリングの用意をしている時に
ぷらどさんの自転車を少し持たせてもらいました
片手でちょっと持ち上げてみると、あまりの軽さにびっくり!
それもそのはず
何とMTBなのに8.8kgだそうです。
私のロードレーサーより軽く500g以上は軽いようです

平地ならさほど重量は気にする必要は無いと思いますが
やはりヒルクライムレースで軽量は魅力です
ただでさえ私より遥かに強い脚を持つぷらどさんにとっては
この「ヒルクライムスペシャルMTB」は鬼に金棒と言えるでしょう


そそくさと用意を済ませ
ぷらどさんの「今日は下見ですからゆっくり登って景色を楽しみましょう!」と言う言葉で
10時半ごろに駐車場からスタートしました

美ケ原高原への入り口となる浅間温泉を通り過ぎると
いきなり急な上り坂です

6月とは思えないくらいの暑さにちょっとメゲつつ登って行くと
「アレレ?????」
「こんなはずでは・・・・」
去年のレース当日にはほんの少しだけ余裕を持って登れたはずの坂なのに
ちょっと登っただけで息が切れて身体が着いていきません
脚も思うように動かず、すぐに疲れて筋肉が張ってきました
気温がかなり高いせいもあるでしょうが
一番の原因は6月に入ってからの運動不足のようです

考えてみれば
今月に入ってから自転車で走った距離は30km程度ってとこです
去年の大会を完走できたことで
この「ツールド美ケ原」をナメていた訳ではありませんが
「もう少し走り込んでいおけば良かった!」と思っても後の祭りです



”辛い坂道”から見る松本の街




しばらくすると後ろのタイヤから「プッシュウ〜」と音が聞こえました
どうやらパンクしたようです

パンクを修理しながら息を整えました


修理が完了して走り出しましたが
またすぐに息が切れます

私が息を切らしながら走っている時に、ふとぷらどさんを見ると
まるで平地を走っているかのごとく”普通”なのは流石です
それよりも何よりも
ぷらどさんは「昨日もこのコースを最後まで登ってきました」と聞いた時は驚きでした

「京都のオッチャン、恐るべし!」(笑)



軽々走るぷらどさん




更に快調な走り




何とか最初の激坂をクリアして「美鈴湖」まできました

この周辺は平坦な道になり
ようやく一息つけました



美鈴湖




美鈴湖はちょっと水位が低めながらも涼しげな水の色です



湖周辺を過ぎるとまた登りになりすぐにスタミナが切れたので
お願いしてまた休憩を取ってもらいました

まったく情けない・・・



日陰で一休み




休憩を取ったら少し楽になったのでまた登ります

ぷらどさんから「ゆっくり行きましょう・・・」とねぎらわれながら登って行きました
ペースが上がらず申し訳ない気持ちです
その事で言い訳している自分が情け無くなってきます


そうこうするうちに「思い出の丘」の近くまで来ると急に視界が開け
いたる所に咲き誇るレンゲツツジが目に飛び込んできました

相変わらず身体はきついですが
景色のお陰で一気に気分がほぐれるのがわかります



レンゲツツジが美しい




見晴らしは最高!




こんな景色の中を走っていたら
身体の疲れも少しずつ楽になるような気分になるから不思議です



いい眺めです




ぷらどさんに写してもらいました  やっぱり「オヤジ」ですね




「思い出の丘」周辺は下りの楽な道です
それでも足がキツイので惰性で下ります


息も絶え絶えに最後の坂を登り切り
「美ケ原高原駐車場」まで登ってこれました



やっと着きました(駐車場の奥の道です)




天気が良くて青空が気持ちいい!




上の写真の場所がレース当日のゴール地点のちょっと上になります

この場所で昼食のおにぎりを食べてくつろぎました

日差しは強いですが
下界と違い空気が乾いていて暑さはそれほど感じません
ちょっと風が吹くと、とても爽やかでいい気分です


この場所までの走行時間をメーターで確認すると
2時間14分もかかっていました
(走行タイムなので休憩時間は含まれてません)
休憩時間を入れると3時間以上はかかっているでしょう

こんな事で本当に明日の本番を完走できるのか心配になってきました



ゆっくりお話しをしながら昼飯を食べた後は
来た道を下って帰ります


帰り道の美ケ原があまりにも良い景色なので
所々で止まりながら記念撮影をしました



爽やかな高原道路








「思い出の丘」には牛が放牧されていました




引くとこんな感じ




ぷらどさんは愛媛から来られたカメラマンの方とお話中




こんな天気の良い日に高原道路を下るのは最高の気分です
明日のレースはどうなるかわかりませんが
こんな綺麗な景色を見られただけで十分ここまで来た甲斐がありました



気持ち良さそうなぷらどさん




私も景色を楽しみながら帰ります(撮影: ぷらどさん)




快調に下りを楽しんでいると
また後輪から「シュワ〜」っと嫌な音が聞こえてきました
気がついてからブレーキをかけて止まるまでの間に空気がどんどん抜けて
タイヤの接地する感触が次第に「ゴリゴリゴリ」という不快な振動になってきます

「トホホ・・・」

パンク修理をしていたらぷらどさんが「ちょっとカメラ貸して下さい」と言うので
景色でも写すのかな?と思っていたら
知らない間にこんな写真(下の写真)を撮られていました

恥ずかしいですが、これも良い思い出です



この日2度目のパンク修理(撮影: ぷらどさん)




一日に2回もパンクするなんて・・・

パンク修理自体は慣れているので苦にはなりませんが
本番でまたパンクしないかと、とても不安になりました


この後は順調に麓まで帰り着き
近くのお店で夕食を食べた後は駐車場に戻り、身体を洗ったり
自転車の調整をしたりしました


まだ寝るには早いので
それぞれの愛車の間に座ってぷらどさんとしばらくお話しです

20時を過ぎ辺りが暗くなった頃、ふと横の森の方を見ると
ホタルがあちこちに飛んでいたので
「いいもの見れましたね〜!」と二人で風流な時間を楽しみました

ホタルなんて本当に久しぶりです


前夜はあまり寝ていないせいか21時過ぎに眠くなってきたので
車のシートをベットにして
窓からホタルの光を眺めながらビールを2本飲んだ後は
高地の涼しい空気のお陰もあって、すぐに眠りにつけました






二日目(レース当日 26日日曜日)



「ツールド・美ケ原」コース図




朝5時半に携帯の目覚ましで起床
起きてすぐに足のの痛みを感じました
こんな足でレースを走りきれるのかとても不安です

まずは朝食を食べて気合を入れます

ぷらどさんとはスタート時間が私より30分近く遅いので
ぷらどさんに「では、先に行ってきますね!」と挨拶をして
一人で大会会場に向かいます

大会会場までは自転車でほんの3分程で到着しました
会場に着くとすでに沢山の方々がスタンバイしています


ついに待ちわびたこの日がやってきました




自分のスタート時間までもう少し時間があるので
スタートラインの横へへ歩いて行き
先発の皆さんのスタート風景を見に行きました



MTB女子がスタート




他の方たちのスタートを見ていると
少しずつ自分も緊張してきました



今年の「一分前の女神」




「30秒前の女神」




続々と各グループがスタートして行きます




皆さん、頑張れ!




いよいよ自分のスタート時間が近づいてきました

導入路に並ぶとますます気分が高まってきます


いよいよスタートラインへ

私は一番後ろの方に並んでしまったので
「女神」が見えないのがとても残念です(笑)


「一般男子C 第6グループ スタート1分前」のアナウンスで自転車に跨りました
緊張がピークに達します

この緊張感が心地よくてたまりません

「30秒前」のアナウンスでペダルにシューズを固定します
いよいよです

スタート後の自分の走行イメージが次々と頭をよぎります


スタート!

8時06分 私の「一般男子C 第6グループ」の100名が一斉に走り出しました

去年はデジカメで写真を撮りながら走りましたが
今年はレースを真剣に走ろうと決めていたので
デジカメはウエストバックの奥に仕舞っておいてゴールまでは出しません


コースに出ると大勢の地元の方々が声援を送ってくれてます
皆さんの暖かい声援がとても嬉しくて力が沸いてきます


緩い登りの浅間温泉街を過ぎ100mも行くと
いきなりキツい坂が待ってます
それも、進むに従ってどんどん斜度が上がっていく道です

私の自転車はキツい登りに備えて
前のギア(3段)の一番小さいのを26Tに交換してあります

一緒のグループの中には、前のギアが2段なのに
平気でどんどん登って行く方々も多くみられます

ロードレーサーとしては恥ずかしいくらいの小さいギア(前26T)を持ってしても
私の”へなちょこ”な足では一杯一杯で、足が悲鳴をあげてます

美鈴湖まではこんな感じの坂なので
何とか耐えるしかありません

2kmも走ったでしょうか
ふくらはぎが張って痛くなってきました

身体も何となく重くて、思うように動きません

木立の無い場所では太陽が容赦なく照り付けるので汗が噴出してきます
顎からポタポタと垂れる汗で自転車のフレームがベトベトになっているのを見ると
余計に暑さを実感して気が滅入ってきます

息は切れてヒーコラヒーコラ
ふくらはぎの次は太ももとオケツが痛くなってきました

その頃には”激坂”を漕ぎきれずに自転車から降りて押している人が目立つようになりました
私も何度かそうしたくなりましたが
所々にいる地元の人の声援のお陰で、超低速ながら何とか漕ぎ続けて登ります


汗で失った水分を補うために
ボトルのスポーツ飲料を口に入れます
最初は冷たかった飲み物も時間とともに温くなり
身体に効いている感覚が徐々になくなってきました

耐えに耐えて何とか美鈴湖の第一チェックポイントまで登ってきました
ここまででコース全体の4分の1くらいにしかなりませんが
既にかなり体力を消耗しているのを感じます

ここからは少しの間緩い下りと平坦な道です

最初の給水所で紙コップの水を受け取り
口に中に流し込みました
「冷た〜い!」
もともとこのあたりの水は美味いと思っていましたが
冷んやりしたその水を飲んだ時は
美味さと気持ちよさで、身体が蘇るような感覚を覚えました
ボトルのスポーツ飲料より遥かに力になりそうです

去年は一々止まって給水のコップを受け取りましたが
今年はその反省を踏まえ
減速を最小限に抑えて走りながら飲みました
その事で、へなちょこなくせに、気分だけはアスリートになったように錯覚し
こんな事で”なりきってる”自分が情けないやら可笑しいやらです
走りながら思わず苦笑していたので
周りの人は変に思ったことでしょう


美鈴湖の平坦な道を無理せず流しながら走っていると
不思議に今までより幾分身体が楽になった気がしました

また登りに入ります

ここから次の下りの17km地点までは持久戦です

自分より後からスタートした大きいゼッケンの人に抜かれたり
早くスタートした小さいゼッケンの人を抜いたりしながらも
自分の精一杯の力を出して走り続けます

ここからはスピードメーターの表示を「走行距離」に切り替え
残りの距離だけを考えて走る事にしました
「走行タイム」はゴールするまでもう見ません!
時間を気にすると余計に焦って自滅しそうなので・・・


必死に漕ぎ続けても走行距離を見るとほとんど増えていきません
1km、いや100mってこんなに長かったかな〜


ようやく15kmを越え、「あと少しで下り」という所まで登った時には
もう足も身体全体も限界に近くなっているがわかりましたが
周りの人もあまりペースは上がらないようで
相変わらず”抜き抜かれつ”は同じです



前にも何処かの項で書いた記憶がありますが
こんな苦しい時にいつも心の中で歌うのは
「elliott」というグループの「時の鐘」という歌です
その曲の中に出てくる「ちょっとだけ難しい事・・・」と言う歌詞で自分を励ましていると
不思議に力が沸いてくるんです



ようやく17km地点の下りに差しかかった時には
ヨレヨレになって走っていましたが
下り始めた瞬間、後ろから勢い良く走って来たベテラン風の二人の方達が
”一気の漕ぎ”を入れて私を抜いて行きました

「これはチャンス!」とばかりに、私も限界を過ぎた足でペダルを踏むと
上手い具合にその人たちのスリップに入る事ができたので
軽く漕ぐだけでどんどんスピードが上がっていくのがわかります

下りのパートではこのお二人のお陰で
単独で走っている人達をどんどんパスできました

一気に下りのパートを終えると最後の登りです
当然ながら私のスピードは急に落ちます
私が引っ張ってもらったお二人は
登りに入っっても勢いが衰えることなく
どんどん距離が離れて小さくなっていきました


「ゴールまで1km」の看板が見えました

去年はここから立ち漕ぎで一気にゴールまで駆け抜けましたが
今回の私にはもうそんな力は残ってません

後ろから来る人に抜かれないように走るだけで精一杯です

「残り100m」
緩やかにカーブを曲がりながらギアをどんどん軽くしていきます

ゴールの計測地点が見えてきました
「あと少し、頑張れ!」と周りの声援が聞こえますが
足が思うように動いてくれません


「50m」
フラフラして真っ直ぐ走れません


「30m」
「頑張れ!」と自分に言い聞かせます


「10m」
もう少し!


「5m」
ゴール手前のカラーコーンがスローモーションのように流れて見えます


ゴール!

「お疲れ様でした〜」と係員の方に誘導され
空いたスペースに自転車を止めました

やった〜!
半ば意識が薄くなる中で喜びが込み上げてきました
限界を感じながらも、何とか去年に引き続き完走出来た喜びで
恥ずかしいですがちょっと目がウルウルしてしきました


しばらくの間、草の上に座り込んで呼吸を整えていると
皆さんが続々とゴールに入ってくるのが見えます

先ほどの「喜び」に加え、この場にいられる感動が胸に込み上げてきます



続々とゴールに入ってきます




「美ケ原高原駐車場」にはすでにゴールした方たちで溢れていました
皆さん素晴らしい笑顔をしています



ゴール横の「美ケ原高原駐車場」




今年もこの場所で地元の方達がトマトを配ってくれていたので私も頂きました



トマトを配ってくれている係員の方たち




冷水で冷やされたこの完熟トマトは実に美味かったです
味が良いのは勿論ですが
完走者のみが味わえるとあって一層美味さが引き立つのかもしれません


トマトを食べながら、ぷらどさんの到着を待ちます


汗で濡れたシャツを脱いで乾かします




ゼッケン「1028番」 良い番号です


ここでメーターの記録を確認しました
全体からすれば大したタイムではありませんが
今の自分の精一杯のタイムなので悔いはまったくありません



今大会のタイム

(ゴール後メーターを止め忘れて少し歩いたので正確ではありません)


メータの記録
走行タイム   1時間47分55秒
平均速度      11.8km/h
最高速度      62.0km/h
走行距離       21.35km

幸い、今日はパンクせずに走れたので良かったです


ぷらどさんがゴールに入って来ました
MTBでの出場なので私より30分ほど後にスタートしていますが
この時間にゴールと言う事は、私よりかなり速いタイムで走りきったようです


下山を許可される時間までぷらどさんと喜びを分かち合いました



ゴール後に撮ってもらいました(撮影: ぷらどさん)




下山の許可が出たのでぷらどさんと一緒にコースを戻って帰ります



「さあ、帰りましょう」と手を振る「ぷらどさん」




心地よい疲れを感じながらゆっくりと下りました



気持ち良さそうな「ぷらどさん」




皆さん、お疲れ様でした また来年お会いしましょう




無事下山し、会場で測定装置を返した後は
駐車場へ戻って帰り支度をしました



駐車場へ帰還




ぷらどさんには今回も大変お世話になりました
また来年も一緒に出ましょうね

次回は少しでもぷらどさんのタイムに近づけるように頑張ります
(無理かな・・・)



最後に

今年も地元の小学生が書いてくれた「しおり」が
レース前日に受付でもらった参加賞と一緒に入っていました
この「しおり」に書かれていた言葉がのお陰で
最後まで諦めずに走りきる事が出来たと思います



「松本市立本郷小学校の5年 黒木れいこちゃん」、本当にありがとう!




来年も「美味しいトマト」が食べられますように・・・



終わり


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